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検定の意義と期待される効果

意義と波及効果(3)

3.共同募金初、人件費配分の道が開ける!

~中央共募「災害ボラサポ」での快挙を生み出した一因は、私たちの「検定制度」だった〜

共同募金制度が創設された1947年以降、64年間にわたり続けられてきた仕組みがありました。「人件費には配分しない」という原則です。共同募金は、備品費や事業費には使えても、事業を進める職員の人件費には活用できませんでした。

しかし、東日本大震災の発災を受け中央共同募金会が創設した「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」(以後、ボラサポ)では、この制約が改正され、初めて人件費の配分が始まりました。この快挙に一役を買ったのが「ボランティアコーディネーション力検定」です。

2011年3月、大震災の発災直後に中央共募は「ボラサポ」を創設することとし、ボラサポへの寄付を税制上の特定が手厚い「指定寄付金」として扱うよう財務省に申請しました。

その際、NPO/NGO関係者との協議の際に、この種の取り組みにスタッフが専従で関わることは不可欠で、当然、人件費も支出対象として認めるべきだとの声を受け、財務省との交渉が始まりました。

そこで渋る財務省を説得できたのが「検定」。専従者といっても、誰でも良いのではおかしいという財務省に対し、交渉の一翼を担っていたシーズの関口宏聡事務局長が、「私はボランティアコーディネーション力3級検定の合格者です」と合格証を示しました。専門職を認定する制度の存在を示すことができたのです。そこで、これを見た尾立源幸財務大臣政務官(当時)の理解もあり、ボラサポでは人件費配分が認められることになったのでした。

(早瀬 昇)