人々が自由に社会づくりに参画できる社会
○わたしのメッセージ その7○
「国=nation」という、社会を治める形がアジアに広まったのは19世紀から20世紀でした。もちろん「国」の主役は「国民」です。「国民」が投票して決めた政府が、「みんなのためになること」を実践してきました。しかし、「こういった仕事は俺たちのような専門家が決めること」と、政治家や官僚がほとんど決め、「国民」は、選挙を通じてそれを評価するだけでした。
最近になって、「国にまかせておけば大丈夫」と思わない人が増えました。そんな人が自主的に「みんなのためになること」を始めた、これが、ボランティア活動ですね。しかも「みんな」とは日本人だけでなく、いろいろな国の人も入ります。だからこういった活動をする人たちは自分のことを「国民」と言わず「市民」と言うようになったのだと思います。
「国」がすべての責任を持つシステムには限界があるということがみなわかってきた、だから一人一人がもっと協力すべきと思うようになったのだと思います。
市民が「自由に参画できる社会」は、「国」だけに「みんなのためになること」をまかせない社会をつくることです。それは、「国」が市民に与え、やらせるものではなく、市民の持っている「権利」だと私は思います。ですから、「自分で進んでやる」というボランティアの原理が必要になるのではないでしょうか。
下澤 嶽
ジュマネット代表(2004年作成当時)