【緊急メッセージ】新型コロナウィルスの感染拡大を受けて
お知らせ 2020/04/16
【人と人のつながりを大切にするボランティアコーディネーターの皆さんへ】
2020年4月16日
認定特定非営利活動法人 日本ボランティアコーディネーター協会
新型コロナウイルスにより思い半ばに命を失った方々のご冥福をお祈りするとともに、病床に伏しておられる方、回復期を過ごしておられる方々にお見舞いを申し上げます。また、医療、保健、福祉関係の方をはじめ、最前線で命を守る活動に全力を尽くしてくださっている皆さまに、心からの敬意と感謝を申し上げます。
さて、この度の新型コロナウイルスの流行はとどまるところを知らず、人と人、人と社会を分断し、私たちボランティアコーディネーターが長年積み上げ、育んできた“つながり”も奪い取っています。ボランティアコーディネーターも今この時にふさわしい社会の中での役割を果たさなくてはいけないのではないでしょうか。
すでに私たちの活動領域のほぼすべてに悪い影響が出ていますが、特に「社会的孤立」に対する取り組みの領域では、社会との細い細い糸だったつながりが、新型コロナウイルスの影響で分断され、時には命を脅かす場面が散見され始めています。私たちがボランティア活動を通じて支えてきた“命”や“生活”や“生きがい”をじわじわと奪われていく、そんな日々を過ごしている方々が私たちのすぐ近くにいらっしゃいます。手を伸ばせば支え合えるのに、手をとり合うことを慎まなければならない今、私たちはどうやってその糸をつなぎとめることができるのでしょう。
一方で、この新型コロナウイルスに影響を受けた人の近くや地域の中で社会課題を知り、読み解き、解決策を探る行為は、ボランティアコーディネーター自身の命をも脅かしかねない難しい行為です。
そこでは、私たち日本ボランティアコーディネーター協会(以下「JVCA」という)が長年こだわってきた「参加の力」も難しい局面に立たされています。悔しいかな、対面する形で何かに「参加する」こと自体が、自らが感染するかもしれない、誰かを感染させるかもしれないという状況から、なかなか強く進めることができません。しかし、ほぼすべての方にとって、今はまさに未体験の社会を進む只中であることを考えると、私たちが普段のコーディネーションの中で積み上げてきた“初めてボランティアをする方への支援”や、課題解決を後押しする“ソーシャルアクション”の姿勢はこの局面でもきっと大きな力を発揮できるはずです。
すでに、全国各地のボランティアコーディネーターが今の状況を踏まえながら新しい形での「参加」を生み出し始めています。どのような活動なら可能なのか、どのような注意や配慮が必要なのか、全国の仲間の知見を寄せ合い積み重ねることが私たちJVCAの役割です。現段階のものではありますが、どのような取り組みが考えられるのかつづってみます。皆さんの力を結集し、全国の市民の「自発性」と「無限の創造力」を励ましながら、より多くの新たな活動を生み出していきましょう。
■新型コロナウイルスの影響下でのボランティアコーディネーション
○SOSが出しやすい空気づくりと全方位的な連帯を
・今回のように、日本全国でさまざまな影響が出ている中では、「みんな我慢しているから自分も我慢しなければいけない」という思いを持ってしまい、困っていてもSOSが出しにくい状況になることが考えられます。また、経済的なダメージや心理的ストレスを受けている人も多くいることから、一人ひとりの不安やニーズを多面的に受け止め、あらゆる分野の専門家や市民活動実践者との連携で支えていく視点が大切です。
〇人と人が会いにくい状況下での解決策を
・個人を支える“訪問活動”においては、直接の面会を避ける代わりに郵便受けを活用し、手紙やノートの交換といったつながりのアイテムを届ける活動が始まっています。ボランティア自身の散歩をかねたポスティングは、健康維持や介護予防にも有効です。
・郵便を活用して自宅でできるボランティア活動の募集が始まっています。学校や保育施設が休みになり、ずっと家にいる親子と福祉施設等をつなぎ、壁面飾りの作成などをボランティアコーディネーターが調整することで、会わずに思いをつなぎ笑顔を生み出しています。
・ICTの活用も大きな力となります。高齢の方の中でもスマートフォン所有率が高まり、それに伴ってLINEの使用率も上がっています。LINE@の活用や“春”や“心地よい”といったテーマを決めたフォトコンテストのような催しも社会の閉塞感から離れるきっかけになるかもしれません。外出自粛をきっかけに親子でテレビ電話をはじめて使用した方やZoom等を使用したオンライン会議の活用も広まっています。特に講座や研修会などは、実際に一堂に会せずともWEB上で集える工夫が必要になっています。WEBを使った研修開催システムウェビナー(WebとSeminarを組み合わせた用語)に習熟すれば、中止が続いている市民活動講座を再開することもできるでしょう。
〇「3密」を避けたうえで集う手法を
・今、全国各地の大小さまざまな街の公園に子どもたちが帰ってきています。休校が始まった当初はYouTubeやゲームに時間を使っていた子どもたちも、「遊び」のエネルギーをもてあまし、公園で走り回っています。そして、子どもだけではなく多世代感のある公園が数十年ぶりに日本に帰ってきています。医療崩壊等を防ぐために外出を控えないといけない「緊急期」が過ぎたときには、密閉とは程遠い公園というスペースを有効に使うことで、新しい活動フィールドが手に入るかもしれません。現在の公園には集いやすいテーブルやベンチがあまりありませんので、キャンプ用のイスやテーブル、日よけを持ち込むなどの工夫をしながら集うのはどうでしょう。
〇活動者と活動先がつながり続ける工夫を
・サロンなど特定の場所での活動でつながっていた方同士の関係が、自粛期間の長期化で途切れ始めています。ニュースレターやメッセージカードなどのフォーマット作成をボランティアコーディネーターが行い、訪問のきっかけを支援することも大切です。近い距離でふれあうことはできなくても、変わらず“気にかけてくれている”ことは安寧につながるかもしれませんし、玄関周りや郵便受けの様子から何か重大な変化に気づくことも多くあるのではないでしょうか。
〇活動再開時期を見越した再建支援メニューを
・この状況がいつまで続くのか予想することはなかなか難しい状況です。グループによっては気持ちが途切れ、これを機に活動の休止や解散を選択しています。いつかまた再開できる日に向けて、本年度における助成金や委託金の柔軟な運用を社会や行政機関に働きかけることも、私たちボランティアコーディネーターの重要な役割です。関わっているグループが、事態終息後の社会でも役割を発揮できるように、状況を共有し続け、環境を整えることが重要です。また、活動再開時に向けた準備も必要です。ボランティアが安心して活動できるよう、検温や消毒、換気など、感染予防のためのルールづくりを支えましょう。そして、晴れて活動の再開を迎える日が来たら、皆で再会を喜び合い、お互いに感謝の気持ちを伝え合えるような「演出家」としての役割も、ボランティアコーディネーターに求められているのではないでしょうか。その日を楽しみに、私たちも前を向いて進みましょう。
〇複合的な災害への備えを
・梅雨の時期が近づくと豪雨災害等が懸念されます。この機会に自宅周りの雨水側溝の清掃やグレーチング(鋼材を格子状に組んだ側溝のふた)の目詰まりを取るなど降雨期への備えを防災の視点からボランティアコーディネーターとして発信してはどうでしょう。新型コロナウイルスと水害、地震などの複合的な災害についてもシミュレーションし、どのように助け合い、取り組んでいくかについて備えておくために、共に知恵を絞りましょう。
■緊急メッセージをダウンロードして読みたい方は、こちらから ⇒ 新型コロナウィルスの感染拡大を受けて (PDF:148KB)
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