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基本指針

人々が協同(協働)して社会課題の解決に取り組む社会

○わたしのメッセージ その6○

 実は、私は運転免許を持っていません。ずっと都市部に暮らしているため、仕事でも私生活でも、自分で車を運転する必要性をとくに感じないまま、月日が経ってしまいました。
  そのため、都会暮らしであるにもかかわらず、過疎地や、都市部でも鉄道やバスなどの公共交通機関が整っていない地域の人々と話が合うのです。「今はいいが、運転できなくなった時のことを考えると、陸の孤島のようなこの地域で本当に暮らしていけるか不安」「バス路線が廃止されたので、通院や買い物に困っている」「趣味のサークルにも行けなくなった」・・・。
  まちづくりの話し合いの場などで出てくるこうした声を聞くたび、自分の将来と重ね合わせて暗い気分になります。だって、個人の力ではバスを走らせるなんてこと、できっこないのですから。
  しかし、なんとバスを走らせてしまった地域があるのです!
  たとえば、京都市伏見区の「醍醐コミュニティバス」。「コミュニティバスを走らせる市民の会」を結成し、フォーラムやアンケート調査、学区ごとの集いなどを重ねて、全国でも珍しい市民共同方式での運行を実現させました。同じような不安や不便を感じている人々が集まり、一緒に知恵と汗を出し合った成果です。
  あなた(私)の悩みはあなた(私)だけのものではない。悩みを“独り”で抱えているだけでは何も変わらないが、人々が分かち合い協働すれば、きっと何かが起きるはず・・・。

筒井 のり子
龍谷大学教授